どちらも歴史用語としては頭にあった。
…
が、きょう、ソ連崩壊を扱った佐藤優氏の文庫本を読んでいて、メンシェビキは「『少数者』の意」、ボリシェビキは「多数派」云々と注釈があって、「はっ」とした。
ロシア語で書くと、ボリシェビキ=Большевик、メンシェビキ=Меньшевик
つまり、
Больше(ボリシェ:より大きい)+вик=多数派
Меньше(メンシェ:より小さい)+вик=少数派
そのままんま。
ボリシェビキ、メンシェビキと聞くと「いかにもロシア革命」だけれど、日本語に直訳すれば、単に「多数派」、「少数派」だったのか。言ってみれば「右翼」と「左翼」みたいな二分法の用語であった。
たとえば、
日本語初学者のロシア人に「『Дзюдо』(ジュードー:柔道)は『柔らかい』+『道』という二つの漢字から成り立つ単語だよ」と説明したら、同じように「なるほど」と思ってもらえる、のかな。
ちなみに、「вик」(ビキ)は他にも目にする。現代のロシア政治用語で、日本の新聞でも登場する「Силовики」(シロビキ、治安・国防機関出身者の派閥)は、
сила(シーラ:腕力、強制力、力)+вик
これも、ほぼそのまんまだ。ロシア語での新語の作り方は、漢字の組み合わせによる日本語のそれに似ている気がする。