TIME(18年10月29日号)、カショギ氏殺害事件とサウジアラビア

◎190819英語、TIME(18年10月29日号)、カショギ氏殺害事件とサウジアラビア
◎BRUTAL REALITY

◇事件によってMBSのイメージ暗転

The grisly 恐ろしい crime holds the power to transform the crown prince into a pariah のけ者, and perhaps even upend ひっくり返す the Middle East order he had made his personal project, with the help of a flattered U.S. President. ..The President is deeply invested personally in the Saudi leader and more broadly in the abandonment 放棄 of the international rules-based order.

★この恐ろしい犯罪は、皇太子をのけ者に変え、おそらくは彼が個人プロジェクトとして米大統領の助けを借りて作り上げてきた中東秩序をひっくり返すような力を有している。……米大統領は個人的にサウジの指導者に深く入れ込み、さらに広くは国際的ルールに基づく秩序の放棄に尽力してきた。

◇インサイダーだったカショギ氏

KHASHOGGI WAS NO OUTSIDER. At 59, he had worked both within and without the Saudi royal court, edited an establishment newspaper, even served as spokesman for a Saudi ambassador to Washington. But he was associated with a branch of the Saudi family tree that had lost power….Khashoggi insisted on publicly はっきりと confronting a crown prince who wanted only congratulations for allowing women to drive and movie theaters to open.

カショギはアウトサイダーでは全くなかった。59歳だった彼は、サウジ王室の内外双方で働いてきた。高級紙の編集をし、駐米サウジ大使のスポークスマンを務めたことさえあった。だが、彼は王室のうち力を失った系統の人々と関係があった。……女性による自動車運転と映画館開設を許可したことへの祝福だけを求める皇太子に対して、カショギは「自分は立ち向かっているのだ」と主張していた。

◇トルコ、米国とサウジ、イラン

Erdogan is a fan of the Muslim Brotherhood, which the others (leaders of Saudi, Egypt and UAE) loathe ひどく嫌う. The rivalry 競争、対立 at least suggests why Turkey has been so keen 熱心な to make Saudi Arabia look bad.

エルドアンは、サウジ、エジプト、UAEの各リーダーが忌み嫌っているムスリム同胞団の熱烈な支持者だ。この対立関係は、なぜトルコがサウジを悪者に見えるようにしようと熱心だったのかの理由を示唆している。

After he (Trump) took office, Saudi Arabia nearly tripled its spending on lobbying in D.C. to $27 million in 2017…

トランプ大統領の就任以降、サウジはワシントンDCにおけるロビー活動費を2700万㌦(27億円)とほぼ3倍に増やした。

Wall Street figureheads かしら and media companies pulled out in droves 群れ from a glittering きらきらする executive summit in Riyadh in Late October, and at least three Washington lobbying firms dropped the Saudis as a client.

ウォールストリートの顔役たちやメディア企業の数々は、昨年10月下旬にリヤドで開かれたきらびやかなエグゼクティブ・サミットから群れをなして離れた。そして、ワシントンの三つのロビー会社が顧客だったサウジとの関係を断った。

The U.S.-Saudi alliance, while never comfortable, is old and deep. There is an inertia 惰性、慣性 generated by shared interests, including healthy oil markets, intelligence exchange and, not least, zealous 熱心な opposition to Iran….The Khashoggi incident threatens the U.S. strategy to contain 封じ込める the Islamic Republic (Iran).

★米国とサウジの同盟は、決して心地よいものではないが、古くて深い。健全な石油市場、情報の交換、さらにイランへの熱心な対抗といった共有された利益の数々によって作られた惰性がある。カショギ事件は、米国のイランを封じ込め戦略を脅かしている。

…the Iranians are quietly savoring 味わう the sight of their regional archrival 主たるライバル cast in the role of barbarian 野蛮人. “The Iranians see MBS as the gift that keeps on giving,” says Riedel. “His reckless 向こう見ずな war in Yemen, his undermining 傷つける of the Saudi brand, his weakening the internal security of the kingdom by alienating 遠ざける members of the royal family….Khashoggi’s death, in other words, is also a grievous 目に余る、ひどい wound the Saudi leadership has inflicted 打撃を加える on itself.

イラン人たちは、地域における主たるライバルが野蛮人の役を担っている眺めを静かに味わっている。「★イラン人たちはMBSを与え続ける贈り物とみなしている」とリデルは言う。「彼のイエメンでの向こう見ずな戦争、サウジ・ブランドを傷つける行動、王室ファミリーを遠ざけることによる国内治安の弱体化……」。……カショギの死も、言葉を換えれば、サウジのリーダーシップが自らに加えたひどい傷なのである。

2冊の「英語学習法」本

ロシア語と同時に、なまくらな英語も研がねばならない。以下の「英語学習法」本(図書館で借りてきた)に目を通して気付かされたのは、英語は「順序重視」の言語であり、「単語だらけ」の言語であること。ロシア語の場合、格変化を覚えるのに苦労するが、ある程度覚えてしまうと、構文の理解は英語より易しい、と思う。また、語根に接頭辞や接尾辞を加えて派生させた単語が多いので、未知の単語でも推測しやすい(文字であれば)。

〈話す力の背景にあるのは実は作文能力です〉
〈日常よく使う慣用表現、つなぎ言葉、あいづちなどは気合いを入れて丸暗記〉

等々、「なるほど」と思った次第。

◆菊池健彦『イングリッシュ・モンスターの最強英語術』(集英社、2011年)

…30代で会社をドロップアウトした後、引きこもり生活の中、独学で英語を叩き込んだ希有な男性。TOEICで990点を24回記録したという。勉強法はオーソドックスなようで参考になる。

〈英語とその他のヨーロッパの言語を比べると、その他の国の言語は名詞や動詞の複雑な変化を堅持してきたのに、★英語は複雑な変化を捨て、単語の数を増やして発展してきた。だから英語は、その他のヨーロッパの国の言語に比べて単語の数が多いのだと思う。極端なことを言ってしまえば、英語は単語が集まったモンスターなのだ。〉(59頁)
〈英語上達で避けて通れないのは単語をどれだけ覚えられるかだ。ものすごく単純なこと。〉(73頁)
〈覚えては忘れ、覚えては忘れ、覚えては忘れ、それでいい。〉(同)
〈買ってきた問題集の中の一冊を徹底的に勉強すること。ひとつの問題集の中で、知らない単語がないようにする。聞き取れない表現がないようにする。そうしなければ意味はない。〉(147頁)

◆猪浦道夫『語学で身を立てる』(集英社新書、2003年)

…著者は当時、米国ニューポート大学日本校助教授。東京外語大イタリア語学科卒、修士課程修了。ローマ大学留学。外国語研究所主宰。語学学習法部分を中心に速読した。

〈こうして英語は、語尾変化や活用による、主語や目的語といった文の要素を明確に表す方法や、動詞の人称や数を細かく表す方法を失ってしまいました。それを補うために、語順がやかましくなり、動詞にはまめに主格人称代名詞をつけることになりましたが、全体的にはただ単語を並べているだけという印象を受けるようになります。〉(77頁)

〈★会話例は最低百回ぐらいは聞きまくってください。ただし、集中して聞く必要はありません。(略)百回も聞くと会話の音声が耳にこだましてくるようになりますので、そうしたらざっと全体を「読解」して、有用ないいまわし、単語を整理して覚えてしまいましょう。これと平行して、パターン・プラクティスを、すらすらいえるようになるまででいいのですが、(略)精神を集中させてやってください。〉(105ー106頁)

〈★ロシア語やドイツ語のように格変化がしっかり残っている言語を習得した人は、(略)無意識のうちに文を分析しているので、英語の文章を読んでも必ず文構造を考えて読む習慣がついています。〉(108頁)

〈★話す力の背景にあるのは実は作文能力です。(略)話す能力をアップさせたいと思うならば、基本的には平易な作文をたくさん練習することが有効な方法です〉(114頁)

〈★日常よく使う慣用表現、つなぎ言葉、あいづちなどは気合いを入れて丸暗記してしまう必要があります。このためには、録音時間30分ぐらいの会話例の音声教材を、ぼろぼろになるまで聞き尽くして暗記してしまうのがよいでしょう。〉(115頁)